日曜日(4日)に大阪府選手権に出場した。長居で走るのは96年の日本選手権以来、実に8年ぶりである。今日では大阪GPや、後に世界陸上が開催されるのかと思いながら競技会を楽しんできた。おかげさまで3本走ることが出来、硬い高速タータンということもあって、帰りの新幹線では足がつって大変だった。
参加者のほとんどは高校生。府選手権が長居だなんて、うらやましい限りである。また審判員の方々も、35度という猛暑の中「選手の為に」という暖かさを感じた。時には大声で注意を呼びかけたりしていたが、
「並べ終わったら、いくらでも跳ばせるから、まだ跳ばんといて!!」
のような感じで、聞きなれない発音なのでキツク感じたが、いかにも大阪らしい言葉であり、また選手としてはとても後味のいい大会であった。
そんな大阪で同級生の小苗君(110mH 13秒71)が応援に駆けつけてくれた。今年で鍼灸の学校を卒業するということで、国家試験に合格すれば来年からは夢の鍼灸師だ。あんなにでかい奴が、つまようじより軽い針を持ちながら
「ここ大丈夫ですかぁ〜〜」
とかなんとか言うのかと思うと、これまた驚きだ。彼は頭もいいし、気立てもいいから、素晴らしい鍼灸師になると思う。ただ、鯉川監督にアゴで使われないことを心よりお祈り申し上げる。
話は戻って、これまでに色々な場所で競技会に参加してきたが、どうしても許せないベスト3がある。それは、東京・神奈川・熊本である。
審判員の方々は、確かに職務を全うしているかもしてない。マニュアル通り、競技会の運営の為には御立派にやられていることと思う。しかし、選手にとっては大変なストレスになっていることをまったく気にもしていない。
先日、日本学生対校選手権(以下インカレ)が国立競技場で3日間行われた。はっきりいって、学生だからかもしれないが、選手をバカにしている。もちろん全員とは言わないが、東京陸協の審判員は、僕は日本で1番腹が立つ。
インカレでの出来事。
スターターは大音量のマイクで、いちいち指図する。
「位置について」・・・10秒後
「ハイ立って」「2レーン・5レーン・8レーン もっと早くついて」
別にいいじゃないか。確かに、先について待っている選手もいるかもしれないが、用意がかかるまでは、少々遅くたって気にはならない。それより、用意からドンまでが遅かったり早かったりの方が実に気になる。
こんなことも言う。
「身体を叩いたり、声を出して気合いを入れないでください。周りに迷惑です」 余計なお世話だ。選手は100分の一秒でも早く、1つでも上の順位を目指して大会に挑んでいるんだ。気合いを入れて何が悪い。
僕が今年の東京選手権で身体を叩いていたら、
「おらそこ!身体を叩くな!!」
と頭ごなしに言われた。温厚な僕は、その方の目の前まで行ってベシベシ叩いて「おらー!」と大人気ないことをしてしまったが、これから決勝を走る選手に対して言う言い方ではない。
何を勘違いしているのか分らないが、審判員が「俺様!絶対!!」と思っているのは何故なんだろうか。
インカレの女子3段跳びでもこんなことがあった。
助走路の周りを何人かの選手が、流しをしたり、イメージをとっていたりしていたら、ある審判員が片っ端から
「おらそこ!走るな! そっちに行っちゃダメ!! おらそこ!おらそこ!!」
というありさま。おまえは暴走族を取り締まっている警察かっていうくらいのうるささだ。とにかく東京は最悪だ。
そう言えばこんなこともあった。
95か96年の国立でのスーパー陸上。決勝に残ったのは、海外招待選手の6名と、松久さん(名鉄)と僕だった。召集が終わってから審判員が言ったのは、
「それでは入場はゴールの方から入ってください。」
通じたのは2人だけだ。お粗末極まりないが、彼は職務を全うしたからそれでいいのだ。
神奈川では数年前の関東選手権で、レース直前にハードルを跳んで、4台目を手で倒したら、横にいた審判員にこんなことを言われた。
「おいおまえ! もっと優しくハードルを倒せ! ハードルが壊れるだろう!!」 90キロの巨体はそう簡単には止まれない。
「ハードルと選手と、どっちの為の大会なんだ!」
と、なんでレースの前から大声張り上げなきゃいけないんだと思いながらも、当時は14秒を切っていたのが懐かしい。
しかし翌年の神奈川であった大会で同じことを言われた。なんと同じ奴に言われたのだ。1年前に本部ですったもんだしたことを、まったく活かされていなかったかと思うと、あきれるしかない。
熊本は日本選手権の一度しか行っていないが、これまた大したものだった。 スタート地点での出来事。
「はいそれでは、予選の2組は12時23分、3組は28分、4組は33分にスタートします。」
フライング等で遅れたらどうするんだ。1組目以降の時間を決めるのはいかがものか。おまけに、待っている選手の足が1cmでも線から出ようものなら、
「おい!足!どけて!!」と、きたものだ。
とりわけこの1都2県には、参加したことある選手なら、誰もが不平不満を抱えているはずである。もちろん、実際に多くの苦情を耳にしている。
これらの審判員の共通点は、自身が競技をやっていたかどうかは定かでないが、審判講習をビッチリ受けた、陸上競技の審判活動に命を掛けたような、50〜60代の男性がほとんどである。従って、選手の気持ちなど知る余地もないのである。
僕の地元千葉は、手前ミソで申し訳ないが、過去に競技実績はどうであれ、競技活動をし、その後教員となった方々が審判に当たっている。今まで、選手として特にストレスを感じることはなかった。
がしかし、事件は起こった。 先月の県選手権で悪魔が現れたのだ。決勝前にホームストレートで流しをしていたら、
「おい!おまえ! なに走ってんだ! ここはダメダメ! 競技場内では走らせないように言われてるんだ!!」
さすがに「おまえ」呼ばわりされてカチンときたが、「走らせないように言われてるんだ」ってのはなんだろうと。
よくよく考えたら来年は千葉インターハイ。審判員増員のためなのか、ついに千葉県もやりにくくなってしまったようだ。
審判員の皆さん。競技会を円滑に運営する為に、頑張っておられるのは良く分かる。あなた方がいなければ、競技会は成り立たない。がしかし、「おい」だの「おまえ」だの言われる筋合いもなければ、言う筋合いもないだろ。そんなに頭ごなしになる必要があるのか。我々選手は、超ハイテンションの中、「スタートで出遅れないように」とか「今日は絶対勝つ」とか「自己新・・・自己新・・・」といった風に、緊張の中に冷静さを取り戻す為に神経を研ぎ澄ませているのだ。あなたがたの役目は、時間通りにキッチリ終わらせることではない。1つでも多くの好記録、1つでも多くのドラマ、1つでも多くの自己記録更新etc・・・ その為に、どうお手伝いをするかが本来の姿ではないだろうか。選手と審判員、どっちが偉いとか正しいとかではなく、お互いがお互いを尊重出来るような競技会になるよう、お互いが努力することが重要ではないかと思う。
好記録や劇的なフィニッシュがあれば、審判員と観客がみんなで拍手をするような、最後に残ったフィールド競技を、場内にいる全員で手拍子をするような、そんな陸上競技会が1つでも増えてくることを切に願っている。
そのような大会の第1弾として、7月17日に織田フィールドでトワイライトゲーム(主催サッポロビール)が行われる。夜の19時から21時までの2時間で、すべて決勝種目を次から次へと行い、ビールを飲みながら応援するという大会だ。300mや1000mといった特殊種目を一流選手が走ると言うことらしいのだ。別に宣伝しているわけではないが、ちょっと思い出したので付け加えてみた。
このコラムを読んでいただいたサッポロビールの方から、うちにビールが届くことを期待し、本日のコラムとさせていただきます。\(^^)
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